脳の呼吸

心身の不調は「脳の呼吸」が原因

風邪や怪我というわけではないのに常に体がだるかったり、気持ちが塞いでいたりすることはありませんか?その原因はもしかすると「脳の呼吸」の乱れかもしれませんね。

「脳の呼吸」とは何か?

人間の呼吸には肺呼吸とは別に「脳の呼吸」もあることをご存知でしょうか。

私たちの脳と脊髄は「硬膜」という袋で覆われており、この袋と脳や脊髄の間にある空間(くも膜下腔)は「脳脊髄液(または髄液)」で満たされています。

脳脊髄液は1分間に約0.35mlのペースで脳が作り、体内に排出しています。

脳脊髄液を作るときに脳は膨らみ、排出するときに元の大きさに縮みます。この膨張と収縮こそが「脳の呼吸」です。

脳の呼吸を「一次呼吸」、肺の呼吸を「二次呼吸」と呼びます。

また、くも膜下腔内の脳脊髄液の量と圧力をほぼ一定に保つため、脳の毛細血管や静脈系など体の様々な部位がこれを吸収していると考えられています。

この仕組みは私たちの心身のコンディションに大きな影響を及ぼします。

人間の体は水の入った大きな風船のようなものであり、その中にはいくつもの大小様々な風船が入っていて、それらも水で満たされているものなのだそうです。

そのため脳の呼吸に何かしらのトラブルが起きたり、脳脊髄液の吸収が滞ると、体全体が膨らんでしまい、脳をはじめとする器官を圧迫して体調を悪くしたり、思考などにも悪影響を与えて心のバランスを乱したりする、というわけです。

「脳の呼吸」が心身に及ぼす影響

脳の呼吸は基本的に呼吸と同じ1分間に約15回のペースで行われています。

しかし体調が悪くなり、脳の呼吸が乱れるとまず脳が脳脊髄液の排出をうまくできず、正常時よりも膨らんでしまいます。

頭蓋骨は弾力性があるため、このとき脳と一緒に頭全体が膨らんでいるのです。

 

問題の1つが「脳の異常な圧迫」です。

作ったものの排出されない脳脊髄液が脳を膨張させ、頭蓋骨内で圧迫されてしまうのです。

また仮に脳がきちんと呼吸できていたとしても、排出された脳脊髄液を体内で吸収できなくなると心身に不調が生じます。例えば肺呼吸が浅くなるのも、これが原因です。

体内で脳脊髄液を吸収できなくなると、人間という大きな風船は膨らみます。

すると風船内の内圧は下がります。

具体的には空気をため込む胸の空間(胸腔)の内圧が下がり、通常時よりも多くの空気をためられるようになるのです。

一見良いことのように思えますが、この状態は「息を吸い過ぎている状態」です。

したがって息を完全に吐き出せなくなる、というわけです。これは重症化すれば呼吸困難になる危険すらあります。

脳や体への酸素の供給量も減るのですから、筋肉や自律神経などへの悪影響も免れないでしょう。

「睡眠不足」と「長時間の同じ姿勢」は絶対にやってはいけない

脳の呼吸を乱したり、脳脊髄液の吸収を妨げる要因は様々ですが、絶対にやってはいけないことが「睡眠不足」と「長時間の同じ姿勢」です。

脳が休養し、コンディションを整えるためには質の良い睡眠が必要不可欠です。

仮に8時間眠っていたとしても、それが質の悪い睡眠ではしっかりと休憩できません。質の良い睡眠をとるためには、室温を夏冬問わず17℃〜22℃に設定するべきだと言います。

これが脳と体が最もリラックスして活動できる気温だからです。やせ我慢をして寒過ぎたり、暑過ぎたりする環境で眠らないように注意しましょう。

デスクワークなどはもちろん、長時間の運動などで同じ姿勢を維持し続けると、その部位の筋肉が固まってしまいます。

硬直した筋肉は脳脊髄液をうまく吸収できなくなり、その結果心身に支障をきたしてしまうのです。

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